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乳児期によくある食生活の相談Q&A
お子さんを子育て中の方々から、食事に関する悩みや疑問がたくさん寄せられます。
そんな悩みや疑問の解消の糸口にしていただくようにQ&Aをまとめました。
あせらず、ゆったりとした楽しい子育てにつなげましょう。
離乳食に関する動画を公開しています。ぜひ、ご活用ください。
生後~生後4か月頃
母乳やミルク以外のものを飲みません。水分補給はどうしたらよいでしょうか
基本的には母乳やミルクでよいでしょう。お風呂上りや汗をかいた時には、湯冷ましが適しています。
(※湯冷まし・・・一度沸騰させたお湯を冷ましたもの)
母乳とミルクの混合で進めています。ミルクをあまり飲まず発育が心配です
母乳の後にミルクを飲ませる場合は、欲しがるだけ飲ませましょう。体重の増え方が母子健康手帳の乳児身体発育曲線に沿って伸びているようであれば母乳やミルクの量は足りていると考えてよいでしょう。
哺乳瓶の簡単な消毒方法を教えてください。消毒はいつまでしたらよいでしょうか
哺乳瓶の消毒方法は
- 鍋にお湯を沸かし10分間煮沸する
- 哺乳瓶専用の消毒液につけて消毒する
- 電子レンジで専用袋か専用容器に入れて消毒する
などの方法があります。ご家庭で一番やりやすい方法で消毒しましょう。哺乳瓶の消毒は生後3~4か月頃までは行いましょう。また、体調がすぐれない時や梅雨時、夏場の雑菌が繁殖しやすい時期には消毒をした方が安心です。
5~6か月頃
離乳食を始める時期はいつ頃からですか
一般的な目安としては、生後5~6か月頃ですが、赤ちゃんの成長は月齢だけでは判断できないくらい個人差があります。
こんな姿が見られるようになったら離乳食を始めてみましょう。
- 首のすわりがしっかりする
- 寝返りができ、5秒以上座れる(支えてあげると座れる)
- 発育が順調で体調がよく、機嫌もよい
- 一日の生活リズム(眠り・目覚め・授乳時間)が規則的になる
- 食べ物に興味を示し、指しゃぶりやおもちゃなめをしたりする
- スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる
野菜スープの作り方を教えてください(だしの取り方)
初めに与えるだし汁は動物性の煮干しよりも、植物性の干ししいたけからとりましょう。水に干ししいたけを浸しておき、ふやけたら火にかけ、沸騰直前に取り出します。このだし汁で2~3種類の野菜を30分くらい煮込んで、こします。スープは製氷皿に小分けして冷凍しておくと便利です。保存は1週間を目安にし、必ず加熱して使用しましょう。
※野菜は取り出した後、すりつぶして利用するとよいでしょう。
市販のだしの素を使ってもよいでしょうか
市販のだしの素には塩分が含まれているものがあります。ベビーフードのスープを使用するとよいでしょう。離乳開始の頃は肉や魚のエキスの入っていないものを選んで使いましょう。
まだスプーンを嫌がるのですが、どうしたらよいでしょうか
金属のスプーンを使っていたら、その冷たい感触を嫌がっている場合もあるので、プラスチックや柔らかい素材のスプーンに替えてみましょう。スープ類ではなく、今まで飲んでいた母乳やミルクをスプーンであげて飲むようなら、スープ類に慣れていないのかもしれません。乳首しか口にしたことのない赤ちゃんがスプーンを口に入れるのは不安なものです。無理に口に押し込むようなことはせず、しばらく様子をみましょう。
離乳食を1回1回作るのは大変なので冷凍しても大丈夫ですか
1回分ずつに小分けして、冷凍庫に保管します。解凍するときは必ず中まで熱を通すようにしてください。少量なので熱を加えると水分が減ってしまうのでとろみやかたさをみながら、だし汁で調節しましょう。
1週間くらいを目安に使い切りましょう。再冷凍は細菌が増えるのでやめましょう。
味つけは必要ですか
生後5~6か月頃はその食材そのものの味やだし汁だけで、調味料は使いません。生後7~8か月以降も味付けをしなくても食べられるのであれば特にする必要はないです。食べ進まなくなってきたなどの様子がみられたら味付けをしてみるのもよいでしょう。
離乳食をよく食べてくれます。欲しがるだけ食べさせても大丈夫ですか
この時期はまだ母乳やミルクが栄養の中心です。大人が量を調整し、生後7~8か月頃の目安量を超えないようにしましょう。
日常的な飲み物としてイオン飲料は飲ませてもよいですか
赤ちゃんイオン飲料も清涼飲料水の一種です。嘔吐や下痢など急激に体内の水分が失われたときに、体内の水分やミネラルを補うためのものです。塩(ナトリウム)や糖分が含まれているものですので、日常的な常用は好ましくありません。
離乳食にはちみつは与えないように言われていますが、どうしてですか
はちみつはボツリヌス菌に汚染されることがまれにあり、乳児が食べると腸でボツリヌス菌が繁殖し、その毒素により運動障害などの神経症状を発症することがあります。1歳を過ぎると腸でボツリヌス菌は繁殖しにくくなりますので1歳過ぎてから与えるようにしましょう。
生後7~8か月頃
まだ1回食です。どのタイミングで2回食にすればよいでしょうか
赤ちゃんが「ごっくん」することが上手になり、口の中でモグモグする様子が見えてきたら2回食にすすめましょう。
食後の母乳やミルクはほとんど飲みません。飲まなくてもよいでしょうか
まだ母乳やミルクからの栄養も必要です。また食後以外の時間によく飲めていて母子健康手帳の乳児身体曲線に沿って伸びているようなら心配ありません。食前や食後少ししてから飲ませるようにしたり、ミルクを料理に使うなど工夫してみましょう。
食欲がありよく食べますが、欲しがるだけ食べさせてもよいでしょうか。
形態が軟らかすぎて飲み込むだけになってしまうと満足感を得られません。少しずつ形のあるものを与えていくようにしましょう。欲しがるからと次々に口に入れるのでなく、ゆっくりとモグモグするように促します。たんぱく源となるもの、野菜をバランスよく組み合わせましょう。
もうすぐ9か月になります。食事の量もなかなか増えず、食後のミルクも飲みません。3回食にしてもよいでしょうか。
3回食にするのはあせらず、もう少し様子をみてみましょう。大人が赤ちゃんの生活リズムを作り、お腹をすかせて食事ができるようにしてあげましょう。落ち着いて食べられる環境を作ってあげることも大切です。離乳食の形態や味、与える時間などを見直してみましょう。
生後9~11か月頃
外出時、麦茶などの飲み物を持って出掛けますが、持ち歩くときの注意点はありますか
直射日光を避けるためにカバーに入れて持ち歩きましょう。直接飲むことで雑菌も増えるため、移しかえるコップなども携帯したほうがよいでしょう。1日持ち歩いたら処分しましょう。
にんじんなどそのままの形で便に出てきますが、食べ物の固さや大きさがあっていないのでしょうか
消化されずにそのままの状態で出てくるのは調理形態が合ってないためと思われます。もう少し軟らかく煮たりこまかく切って与えましょう。軟らかさの目安は親指と人差し指で軽く押しつぶしてつぶれるくらいに仕上げます。多少、繊維のある野菜類が便に混ざっているのは心配ありません。
3回食事を食べさせていますがワンパターンになってしまいメニューが広がりません。大人の食事からの取り分けの仕方を教えてください
この時期になると食べられる食品も増え、調味料も香辛料や化学調味料を除けば大人の2分の1から3分の1位の味付けにして食べられます。煮込み料理などは味をつける前に取り分け、食べやすい大きさに切り薄く味をつけます。味噌汁やすまし汁は出来たものをこまかくして、汁に湯を加えて薄めます。大人のメニューから食べられないものを除き、軟らかく煮て薄味にしあげることを基本に考えましょう。
食事の時、大人のスプーンを持ちたがるのですが、スプーンはいつ頃から持たせればよいでしょうか
スプーンが使えるようになるのは1歳半頃ですので早くスプーンを持たせずに手づかみ食べを十分にさせましょう。大人のスプーンを持ちたがるという姿は、自分で食べたいという意欲の現れですが、まだスプーンで食べるには、肩・肘・手首・指先の運動機能が発達していません。上手に食べられず、ただ振り回して遊ぶ道具になってしまいます。
食事中、器の中に手を入れグチャグチャにして汚してしまいます。手づかみはさせたほうがよいでしょうか
食べさせてもらうだけだった赤ちゃんが自分で食べたいという気持ちが育ってきた成長のあかしです。手で食べものの大きさや固さを感じ、つまんで口の中に入れるという動作を繰り返すことにより、腕の運動機能が発達してきます。しかし、すべての食べものを自由にいじらせるのではなく、子どもが手で口に運びやすいスティック状のものや一口の大きさに切ったものを別の器に用意してあげましょう。大人が食べさせるものと分けるとよいでしょう。
9か月になったらフォローアップミルクにかえた方がよいですか
フォローアップミルクは、母乳や育児用ミルクの代替品ではなく、離乳期から幼児期にかけて不足しやすいが牛乳には含有量の少ない鉄やビタミンDなどの栄養素を含む食品です。育児用ミルクを使用している場合は、育児用ミルクに十分な量の鉄分が入っているため、9か月を過ぎたからといって、ただちにフォローアップミルクに切り替える必要はありません。母乳育児の場合に、鉄の補給を目的にフォローアップミルクを使用するときは、母乳を減らしたり、やめたりする必要はありません。
落ち着いて食べてくれません。途中で飽きてしまうのですが、食べてもらいたいので30分~1時間くらいかけて食べさせています。集中して食べさせるにはどうしたらよいですか
この時期の赤ちゃんは周囲のいろいろなものに興味を持ちます。食事の時は食べる場所、テーブルの上、周囲におもちゃなど興味をもちそうなものを置かないで、落ち着いた環境を作ってあげましょう。大人は、子どもの側について介助してあげましょう。また、おなかがすいていないと食事に集中できないので、おなかがすいた頃に食事をさせるとよいでしょう。赤ちゃんが集中して食べられるのは15~20分くらいです。落ち着きがなくなり、口に入れても嫌がるようなら、無理強いせずに食事を切りあげましょう。
生後12~18か月頃
大人が飲むお茶は飲ませても大丈夫ですか
大人が飲む緑茶や紅茶・コーヒーなどはカフェインが多く含まれています。カフェインを含まない麦茶などを与えるとよいでしょう。
あまり噛まずに飲み込んでいるようなのですが、よく噛むようにするにはどうしたらよいですか
丸飲みしてしまうのは食べものが硬過ぎるか、逆に軟らか過ぎる場合があります。まだ奥歯が生えていないので、歯ぐきで噛みつぶせる硬さで、少し大きめ(1~1.5cm角くらい)にするとよいでしょう。また、苦手な食べ物を無理に食べさせたり、急がせて食べさせたりしている場合もあります。口の中に詰め込み過ぎないようにはたらきかけ、1口の量をゆっくりと噛んで食べるように側について言葉がけしながら食べさせましょう。
食事より母乳を欲しがり食事量が少ないのですが、大丈夫でしょうか。2~3時間おきに欲しがり与えてしまいます
母乳をダラダラ飲みしていると食事は食べられなくなります。
日中は外遊びなどをさせたりして、お腹がすいた状態で食事ができるような生活リズムを作りましょう。母乳は回数を減らしましょう。
コップで飲むことができません。どのようにしたら飲めるようになりますか
毎日根気よく続けていくことにより、だんだんと飲めるようになります。コップは浅めのものを用意し、少量の飲み物を入れ、両手をそえて口へ持っていく練習をします。最初は大人が手助けしてあげてください。口に入る前にこぼしてしまったり、傾けすぎて顔にかかったりしますが、励ましながら繰り返し練習することにより上手になっていきます。
スプーンはいつ頃から使わせればよいのでしょうか。また練習はどのようにしたらよいですか
食べものを手に持って口に運ぶことが上手に出来るようになった頃(1歳半頃)を目安にスプーンを持って食べることを始めます。スプーンは柄のところを上からの握り持ちにすることを教えます。メニューの中から子どもがスプーンですくいやすいものを、立ち上がりのある皿などのすくいやすい器に分けて食べる練習をさせます。まだまだ、大人の手助けが必要です。
子どもが自分でしようとする意欲を大切にしながら、側について子どものできないことを手助けしてあげましょう。
牛乳への切り替えはいつ頃、どのようにしたらよいですか
飲用として母乳・ミルクから牛乳に切り替えはじめるのは満1歳頃が目安です。牛乳に切り替える際には、鉄が不足にならないようにメニューの中にレバー、豆腐などの大豆製品、小松菜、ほうれん草などの食品を多く取り入れましょう。
おやつは必要なものですか。どんなものをあげたらよいですか
おやつは食事の補助的なものと考え、1日1~2回、量と時間を決めてあげましょう。甘味の強いものや歯につくものは控え、ふかし芋、ヨーグルト、チーズ、おにぎり、果物などをあげましょう。たくさんあげすぎると食事に影響しますので気をつけましょう。