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咽頭結膜熱が流行しています
咽頭結膜熱とは、アデノウイルス(3型、4型、7型、11型)により引き起こされる、主に子どもに多い病気です。
千葉県では、2023年第45週(11月6日~11月12日)の咽頭結膜熱の定点当たり患者報告数が3.89人となり、現行の感染症法が施行された1999年以降で初めて国が定める警報基準値(3.0)を上回り、大きな流行が発生しています。手洗い・うがいを行い、感染対策を行うことが重要です。
流行の時期について
以前は、夏に流行のピークが認められていましたが、2003年以降、冬季にも流行のピークがみられるようになりました。2023年は、例年と異なり、秋に流行のピークがみられています。
感染経路について
感染経路としては、飛沫感染(ウイルスが含まれた咳、くしゃみのしぶきを吸い込んで感染)、接触感染(汚染された手指、タオルなどの物品を介した感染)です。
プールや温泉施設を介した場合には、汚染した水から目(結膜)への直接侵入と考えられています。
症状について
- 潜伏期間:5~7日
- 主症状:発熱、咽頭炎(喉の痛み、腫れなど)、結膜炎(目の充血、目のかゆみ、目やになど)。これらの症状が3~5日程度持続します。
※眼の症状は、一般的に片眼から始まり、両眼に広がります。眼に永続的な障害を残すことは通常はありません。
※乳幼児、高齢の方、免疫機能低下等の基礎疾患のある方は、肺炎などを引き起こし重症化する場合があることが報告されています。
感染予防のポイント
- 消毒用アルコールは効きにくいため、流水とせっけんによる手洗い、うがいをしましょう。
- 咳やくしゃみが出たら、マスク、ティッシュ、ハンカチ、袖口などで鼻と口を覆うなど「咳エチケット」を心がけましょう。
- プールや温泉施設を利用した後は、シャワーを浴び、うがいをしましょう。
- 家庭内では、タオルや寝具の共用を控えましょう。
咽頭結膜熱にかかってしまったら…?
治療について
- 特別な治療法はなく、通常、対症療法が行われます。高熱が5日前後続くことがありますが、多くは自然に治ります。
- 眼の症状が強い場合には、眼科的治療が必要になることがあります。
- 高熱が続く、吐き気や激しい咳が出る、頭痛の強い時は、早めに医療機関に相談してください。
- 喉の痛みがあるため、食事は、刺激のあるものは避けて、のどごしの良いものをとったり、こまめに水分をとりましょう。
二次感染の予防について~感染を広げないために~
- タオルや寝具の共用を控える等、感染した方との密接な接触は避けましょう。
- こまめに手洗いをしましょう(トイレの後、おむつ交換の後、食事の前)。おむつ交換の際に、使い捨て手袋を使用することも効果的です。
※症状が治まった後も、約1か月は尿・便中にウイルスを排出することがあります。
- ドアノブや衣服、おもちゃなどは、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤で消毒しましょう。
※次亜塩素酸ナトリウムは、金属腐食性があるので、消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするように注意してください。
学校保健安全法での取り扱い(出席停止の期間)
第2種感染症に位置づけられていて、登校基準として主要症状が消退した後、2日を経過するまで出席停止とされています。
(ただし、病状により医師において感染のおそれがないと認めた場合を除きます。)
関連ホームページ
- 咽頭結膜熱(プール熱)<外部リンク>の流行について(令和5年11月15日)<外部リンク>(千葉県ホームページ)
- アデノウイルスと咽頭結膜熱<外部リンク>(NIID 国立感染症研究所ホームページ)
- 咽頭結膜熱<外部リンク>(厚生労働省ホームページ)