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八千代台図書館・公民館合同主催講座「ドキドキわくわくお話の世界」が開催されました

ページID:0070075 更新日:2025年9月26日更新 印刷ページ表示

講座概要

開催日時 令和7年8月29日10時から11時30分
会  場 八千代台公民館研修室
講  師 「本だいすき!」の会のみなさん
参加人数 13人
講座の様子
 令和7年8月29日,うだるような猛暑が連日続き,高松市では気温37.2度が観測されました。風もほとんどなく,湿度も70%という蒸し暑さで,出口のない暑さがいつまで続くかとうんざりされていた方も多かったのではないでしょうか。

 そんな中で開催された,本年度2回目の八千代台図書館・公民館合同主催講座。講座とは冠しておりますが,今回はかなり毛色が違います。昨年度のザガズー広場に続きのおはなし会的な企画ですが,夏休みのフィナーレとして,また去りゆく夏を惜しむという意味でも,お祭り騒ぎをすることにいたしました。当館講座のモットーである,「楽しんで学びを得る」も今回ばかりはコンセプト解除です。

 今回,演者として数々のおはなしを披露していただいたのは,結成20年目を迎えた「本だいすき!」の会のみなさん。TRC八千代中央図書館にて行われている,「本だいすき!」の会による「ずぅ~っとずっとずっとおはなし会」では,本当に1日中おはなし会をマラソン開催されており,今や市民のみなさんの間でもおなじみかと思います。その他,八千代台・八千代台西・八千代台東の各小学校の朝読,学童保育,ステップ21大和田・勝田台,八千代市文化会館等でも積極的に活動を展開されています。

 催しは晩夏の残照を惜しむかのように大いに盛り上がりました。

講座の様子

 「本だいすき!」の会のみなさんとその催しは,ひとことで言ってとってもパワフル。初めて参加する方にとっては,いわゆる読書関連イベントのもつ静やかで淡々としたイメージからはかなりかけ離れているのではないでしょうか。「おはなしの世界」開幕とともに,お神輿が入場し,いきなり場を盛り上げにかかります。

 平素,八千代市立図書館で開く「おはなし会」の一回あたりの開催時間は,だいたい15分~20分ほどです。おはなし会に参加してくれるお友達の年齢層は幼児~小学生と,比較的幅広い年齢層の参加があります。ですので一概には言えることではありませんが,子どもの集中力は一般的に「年齢+1分」と言われているように,あまりに長丁場にしてしまうと集中力が途切れ,飽きてしまいます。それではせっかくのおはなし会も,読書への扉とはなりえません。
 そのため,「おはなし会」が長時間のイベントではなく,図書館での読書体験をより豊かにするための「導入」や「きっかけ」とすることを目的にしていることを考慮すると,15分くらいの時間が丁度良いのです。

 そう考えると,今回のイベントは1時間半とかなりの長丁場です。もともとおはなしが好きな子どもたちが参加してくださっていることに加え,「本だいすき!」の会のみなさんは長年,数々のおはなし会イベントをこなされているだけあり,おはなしの朗読にも数々の創意工夫を加えて,子どもたちの興味を惹き続けます。言葉で紹介するととても簡単ですが,これはとても大変なことです。一例として,既存のおはなしだけでなく,オリジナルのブラックライトシアターとして「ガイちゃんコッちゃんのなつまつり」をノリノリの音楽ともに演じられたり,子どもたちもお神輿を担いだりと,子どもたちを飽きる時間を与えません。後日,今回参加した方の何名かにお話を伺う機会がございましたが,口をそろえて時間が気にならなかった,楽しかったと感想をいただきました。
 
 参加のみなさんには,図書館司書が選書した夏の終わりにおすすめの絵本等のブックリストを配付させていただきました。

 繰り返しますが,飽きさせないイベントを実施することは本当に大変なことです。今後も楽しいイベントを開催したいと考えておりますが,一担当者としても楽しかったですし,とても勉強になりました。参加者のみなさん,「本だいすき!」の会のみなさん,スタッフのみなさん,暑い中本当にお疲れ様でした。次回も楽しく,役に立つ講座を企画していきたいと思います。
 今後とも八千代台図書館・八千代台公民館をよろしくお願いいたします。
講座の様子2
講座の様子3
講座の様子4
講座の様子5
講座の様子6

アンケートから(今回は参加された子からの感想です。原文ママで掲載)

・いろんなおはなしがあっておもしろかった。
・楽しかったです。ありがとうございました。(小学2年生)
・とてもおもしろかったので来年もやってほしいです。(小学5年生)
・とても楽しかったです。紙芝居を今度やってみたいです。(小学5年生)
・楽しかった。(小学3年生)
・おもしろいお話しこわいお話しいろんなお話しが聞けてとても楽しみましたありがとうございました。(年長 ※代筆)
・たのしいおはなしかいをありがとうございました。(小学1年生)

八千代台図書館がおススメする講座のポイント 「のっぺらぼう(本所七不思議)」

 夏のおはなしと言えば,怪談が定番ですね。今回も「のっぺらぼう」を披露して頂きました。日本の妖怪としてとても有名な存在で,古くは『源氏物語』第五十三帖「手習」にて名前が登場する「目も鼻もない女鬼」が,のっぺらぼうの源流のひとつとされ,明治時代に小泉八雲が記録した『怪談』にも登場します。
 今回ののっぺらぼうは,東京「本所七不思議」のうちのひとつ,「置行堀(おいてけぼり)」をベースにしたような物語に登場します。内容としては七不思議のうちの「置行堀」に「消えずの行灯(或いは燈(あかり)なし蕎麦屋)」がミックスされたような構成になっているため,江戸時代に講談などで語る目的で「本所七不思議」を元に脚色された話である可能性が高いとされています。

 ちなみに七不思議に登場する置行堀の場所については,現在の東京都墨田区江東橋あたりにあった「錦糸堀」であるとされており,錦糸堀公園には「置いてけ」の声の主とも言われている河童の像が建てられています。ただし,伝承のため場所には諸説あり,亀戸や御竹蔵(現在の両国の横綱1・2丁目周辺)も候補地として挙げられることがあります。

 今でこそ錦糸町駅や両国駅,国技館,江戸東京博物館などを擁し,繁華街としても賑わう同界隈ですが,明治初頭にいたるまでは武家の下屋敷や幕府の資材置き場が広がり,民家が密集するような場所ではありませんでした。そのため人通りもまばらで,とても寂しい場所であったと伝わります。特に,両国の御竹蔵(おたけぐら)と呼ばれた雑木林や竹藪があった場所は幽霊や怪異の噂が絶えない場所で,明治時代に総武鉄道(現JR総武線)の工事が行われた際にも線路工夫が宵闇の中で幽霊を見て気絶をした(後述の『本所両国』に記述されたエピソード),という話が残っています。

 そんな場所柄,少年時代をこの周辺で過ごした芥川龍之介は,随筆『本所両国』において,「大溝(おおどぶ)にかこまれた,雑木林や竹藪の多い封建時代の『お竹倉』」と表現し,「夜は「本所の七不思議」を思い出さずにはいれないほど物寂しかったに違いない」,と記しています。実際,芥川龍之介は夜学(夜間に通学した記録は無いため,誤用か?)に通う途中で,「お竹倉の向うに莫迦囃(ばかばやし)を聞き,てっきりあれは「狸囃し」に違いないと思った。」と記し,小学時代は芥川自身,本所七不思議が恐怖であったことを述懐しています。
 明治ですらこの様子であったため,江戸時代なら猶更であったに違いありません。都市伝説として「本所七不思議」が流布されるのも無理はなかったのでしょう。(なお彼は両国と言う街を自嘲を込めてか,「江戸二百年の文明に疲れた生活上の落伍者が比較的大勢住んでいた」とまで記しています。)

 現代では昔話として親しまれている「本所七不思議」も,その昔はとてもリアルな話として,まことしやかに語り継がれていたであろう背景には,このような状況がありました。そんなかつての都市伝説を,今は首都高速7号線高架下にある「大横川親水公園」のレリーフ等でも知ることができます。過ごしやすくなった時期だからこそ,「本所七不思議」を追って,東京の下町を巡るのも良いかもしれませんね。

※今回の記事は,『芥川龍之介全集10 (角川書店 1968年)』『ふるさとお話の旅 東京 (野村純一/監修 星の環会 2005年)』などを参考にいたしました。
講座ポスター

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