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性のあり方はグラデーション
「グラデーション」という言葉があります。段階的に色が変わっていく様子を表すときに使いますね。
「性のあり方はグラデーション」といわれます。どういう意味なのでしょうか。
これは、一人ひとり顔や性格がちがうように、性は人によりさまざまで、「男性」「女性」とはっきり分けられるものではないということです。
このページでは、さまざまな性のあり方について紹介します。
※本ページは「性自認および性的指向の困難解決に向けた支援解決マニュアル」、千葉市作成「LGBTを知りサポートするためのガイドライン」等を参考に作成しました。
多様な性のあり方
性は、次の4つの要素の組み合わせから形作られています。
この組み合わせは多様で、人によってさまざまです。
性はグラデーション
性は多様で、男性または女性と認識している人、どちらにも当てはまらないという人、どちらかわからないという人もいます。
Q.「SOGI」って?
A.性的指向・性自認のこと。一人ひとりそれぞれの、多様な性について考えるときに用いられる言葉です。人にはそれぞれの性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)があり、SOGI(ソジ・ソギ)はの頭文字をとったもの。性表現(Gender Expression)のEを足して、SOGIE(ソジー・ソギー)ということもあります。
これは、性のあり方に関わる概念を広く表す言葉で、すべての人にこの「SOGIE」、性の要素が備わっています。
自分の性が、多様な性のあり方の一つということを知ることが大切です。
Q.「LGBT」ってなんだろう?
A.「LGBT」とは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字をとった言葉で、性的マイノリティの総称の一つです。
さまざまな性のあり方に関する言葉
LGBT以外にも、さまざまな性のあり方があります。
自分を男性または女性と明確に認識していない人(エックスジェンダー)や、好きになる性や心の性を決められない、わからない人(クエスチョニング)、好きになる感情を持たない人(アセクシュアル)もいます。
多様な性を取りまく、現状と課題
民間での調査によると、性的マイノリティに該当する人は、日本の全人口の5~8%。左利きの人の割合に近い数字だともいわれています。
右利きの人も左利きの人もいるように、性的マイノリティの人は身近な存在です。
自分の身の回りにはいないという人も、もしかしたら身近な人で、さまざまな無理解や偏見を恐れて、伝えることができずにいる人がいるかもしれません。
無理解や偏見は、なぜ生じるのでしょうか。
日常生活を送るなかで、知らないうちに身につけた「体の性と同一の性で生きるもの」「性別は男性と女性の2つ」「男性は女性が好きで、女性は男性が好き」というような、自分のなかで当然のこととしている、固定観念や先入観を持ち、性的マイノリティの人を特別な存在とし、偏見を持ったりする人が少なくありません。
こうした考え方によって、性的マイノリティの方が生きづらさを抱えてしまうこともあるのです。
さまざまな場面での困難
無理解や偏見などから生じる課題のうち、周囲の人々の知識の不足や、誤った認識による言動から受ける困難を「外からの要因」、性的マイノリティの方自身が心理的に抱える問題を「内なる要因」として整理すると次のようになります。
※神奈川県政策研究・大学連携センター(2016)「性的マイノリティ支援にかかる課題の整理」より
外からの要因
- 男女間の話題(恋愛、男らしさ、女らしさ、結婚に関する話題等)
- 既存のイメージによる差別(おかま、ホモ等からかいの対象)
- 親族との関係(家族関係の崩壊等)
- 就業上の差別(就職、昇進等)
内なる要因
- 偏見、差別を恐れ、誰にも相談できず孤立
- カミングアウト後の周囲のバッシングを恐れ、コミュニティから孤立
カミングアウトとアウティング
これまでに公にしていなかった自分の性的指向や性自認などを、本人が表明することを「カミングアウト」といいます。
本人が公にしていないことを他人が暴露することはアウティングといい、本人の了承なく他に伝えることはプライバシーの侵害です。
性的マイノリティの方や家族の方からのメッセージ
「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」※制作のパネルから抜粋したメッセージです。
※「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」とは、性的マイノリティの若者の生きづらさの解消、自殺予防を活動の主なテーマとしている団体です。
- 日本には同性愛なんていない、と言い切ったあなた、すぐ目の前にいるから、あなたの隣に座っているから。声に出して叫びたい!
- 「彼氏いるの?」「どんな男性がタイプなの?」って、よく聞かれるけど、いつもあいまいな返事でごまかすしかできない私。いつか、同じ質問が来たら、笑ってこう返せるようになりたい。「彼氏はいないけど彼女はいます」って。「私、男性より女性が好きなんです」って。いつの日か、胸を張って好きな人のことを話せるようになりたいな。
- 息子のカミングアウトは私への最高の贈り物だったと思っています。なぜなら本当の自分を見せてくれたのですから。ゲイの息子、素敵です!!いいところも悪いところもゲイのところも全部丸ごと大好きだよ~!!
- 結婚しろって会うたびに俺に言う母親。いつもはぐらかしてごまかしているけど、俺には大切な彼氏がいるんだよ。俺をいつも支えていてくれる人だよ。本当は俺の見つけた素敵な彼を紹介したいんだけどな。母さんが悲しくなると思って言えないんだよ…
- 恋愛感情なんてないと思ってた。まさかの自分が同性愛者だなんて思ってもみなかった。はじめて好きになった女の子。泣く位好きになって、それでも無理なこと位判ってて。それでも告白した。好きな気持ちは受け入れてもらえなかったけど、私が同性愛者だという事は受け入れてくれた。それだけで救われた気持ちになった。
- “セクシュアルマイノリティ”という言葉でひとくくりにすると、漠然とした隔たりを感じるから、私はその中のひとりひとりの人間、人格を見つめたい。大切な友だちたちの顔が見えてくる。名前を呼び、話をしたい。それぞれが違った悩みや喜びや悲しみと一緒に自分の人生を歩んでいる。それはすごく美しくていとおしいことだ。
性の多様性を表すシンボルとして、6色の虹が用いられます
性の多様性に関する相談窓口
以下のリンク先で、性の多様性に関する相談窓口を紹介しています。