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様々な消防法令違反や火災予防上の危険に対して、建物や物件の関係者(所有者や責任者等)の改善意思や進捗の状況がはっきりと確認できない場合に行われます。また、指導や処分の種類については以下のようなものがあります。
解説 | |
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行政指導 | 行政機関(消防本部)がその任務または実施している業務の範囲内において、行政目的(消防法令違反の是正)を求める指導、勧告、助言その他の行為であり処分に該当しないものです。 |
警告 | 建物や物件の関係者に対して、消防法令違反の是正や、火災が発生する危険のある状況の改善を促すもので、これに従わない場合、以下にある「命令」や「告発」などの法的措置をもって対処することを意思表示するものです。 また、通常は「命令」の前に行われるもので、性質上は行政指導となり、法的な強制力はありません。 |
命令 | 行政庁としての市長または消防長などの命令を発する権限を持った者が、消防法上の命令規定に基づき、公権力の行使として建物や物件の関係者に対し、具体的な火災発生の危険のある状況の改善や消防法令違反などの是正について義務を課す意思表示であり、罰則の対象となることから、間接的にその履行を強制するものです。 |
告発 | 告訴する権限を持つ者、および違反者以外の第三者が捜査機関(警察または検察)に対し、違反事案(消防法令違反)を申告して、処罰を求める意思表示です。 |
行政代執行 | 「命令」により義務を課された建物や物件の関係者が、命令の内容を履行するのが大きく遅れるなどのほか、関係者が不明等の理由から実現の見込みがなく、その状況が著しく公益に反する場合に、行政庁自らまたは第三者が代わって履行し、これに要した費用を義務者から徴収することです。 |
違反概要 | 罰則内容 |
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消防用設備等または特殊消防用設備等の設置維持命令に従わなかった場合 | (設置命令違反)1年以下の懲役または100万円以下の罰金、両罰として法人に対し3,000万円以下の罰金。 (維持命令違反)30万円以下の罰金または拘留、両罰として法人に対し30万円以下の罰金。 |
資料提出命令に従わなかった場合、報告の徴収および消防職員の立入検査を拒否した場合 | 30万円以下の罰金または拘留。 |
建物等に対する措置命令(使用禁止、停止、制限等)に従わなかった場合 | 3年以下の懲役または300万円以下の罰金、両罰として法人に対し1億円以下の罰金。 |
防火対象物の点検結果を報告せずまたは虚偽の報告をした場合 | 30万円以下の罰金または拘留、両罰として法人に対し30万円以下の罰金。 |
消防用設備等の設置の届出を怠った場合 | 30万円以下の罰金または拘留。 |
消防用設備等の点検結果を報告せずまたは虚偽の報告をした場合 | 30万円以下の罰金または拘留、両罰として法人に対し30万円以下の罰金。 |
用語または行為 | 解説 |
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公示 | 命令を行った場合に、標識の設置や公報への掲載などにより、措置命令の内容などを周知するものです。 |
公示の趣旨 | 命令の内容を、その建物の利用者や、近隣の建物関係者などの第三者に周知することで、不測の損害を防ぐことができるようにすることです。 |
公示の方法 | 命令を受けた者、建物の情報、命令の内容が記された標識を、対象の建物の見やすい場所に掲示します。 |
標識を故意に剥がす、または損壊した場合 | 公用文書等毀棄罪または軽犯罪法が適用されます。その他にも暴行または脅迫を加えて標識の設置を拒んだり、妨げた者には公務執行妨害罪が適用される可能性があります。 |
消防関係法令は、悲惨な火災事故が発生するたびに必要な改正がされてきました。このページでは罰則等にも触れてきましたが、消防の目的はあくまでも住民の皆さんの生命や身体や財産を傷つけるような火災を発生させないことなので、罰則を目的とはしていません。しかし、火災が発生してしまった時に被害を最小限に抑えられるよう、消防本部では法令に適合した消防用設備等の設置、防火管理、適正な建物の維持管理に向けての行政指導や、行政処分を実施しています。悲惨な火災事故を繰り返さないためにも、消防行政へのご理解とご協力をお願いします。
消防法令違反の改善に関して、ご不明な点やご相談がありましたら予防課査察係まで、お気軽にお問い合わせください。
消防法令違反による命令を受けている建物の一覧は下記のリンク先を参照してください。
命令前であっても建物利用者に向けて、公示と同じように周知ができる公表制度が、令和2年4月1日から始まっています。公表制度に関するページは下記のリンク先を参照してください。